Qorvo QSPICEを使ってみる。

導入

今回は2023年にQorvo社よりリリースされた比較的新しい回路シミュレータQSPICEを触ってみます。
読んで字の如くSPICEシミュレータなのですが、LTspice開発者で有名なmike engelhardt氏が開発されているとのことで注目を集めています。
QSPICEの特徴としては以下4つがあげられます。個人的には無償ソフトでC++/Verilogに対応している所がうれしいです。

  • シミュレーション速度の向上
  • 多くのデジタル素子(AND,OR,Flipflopなど)が標準内包
  • 商用利用可能
  • C++/Verilogに対応

基本的な使い方

QSPICEを起動すると画像のようなメイン画面が立ち上がります。LTspiceからUIが変わりましたが、基本的な使い方は一緒です。
部品の配置は左側のSymbol&IP Browserから行います。LTspiceでRキーで抵抗が配置できるようにQSPICEでもキーボードショートカットが使えます。ショートカットリストはHelpのQSPICE Documentationを参照ください。

今回は簡単なトランジスタ増幅回路を組んでみます。抵抗、コンデンサ、電源なんかはLTspiceと同じように配置します。

ここでNPNトランジスタとしてBC847を使用しています。外部spiceモデルを使用しますので以下の手順に従って進めてください。

  1. Rohm のサイトでspiceモデルをダウンロードする。
  2. テキストエディタでモデルを開き.model以下をコピー
  3. QSPICEに貼り付け
  4. Autogenerate Symbolダイアログが出てくるのでOKを押す
  5. QSPICEが自動判別してくれるのでシンボルを配置する。


シミュレーション回路が完成したら上の電源ボタンアイコンを押してシミュレーションを実行します。うまくできていれば以下のような波形が出てくるはずです。

まとめ

2023に発表されたSPICEということでQSPICEを使ってみました。モデルの読み込みがコピペでできるので回路作成が効率化できると感じました。
今後はC++機能やスイッチング電源回りのシミュレーション速度評価を行っていきたいと思います。