MINI-ITXなARM PCを組む

MINI-ITXなARM PCを組む

なんとなく作業用ARM PCが欲しくなったので組みました。今回は組み立て過程をまとめます。
早速ですが今回購入したのは、Radxa ROCK 5 ITXRadxa ROCK 5 ITXというMINI-ITXサイズのSBCになります。
スペックの詳細などは公式ページを見ていただければと思います。

購入はallnet chinaでFedex配送でした。外箱は若干へこんでいますが梱包はしっかりされていました。

開封する

基板は黒レジストにENIG処理でなかなか高級感があります。
付属品はバックプレートとSSDねじがついてます。

ROCK5Bと比べてみるとかなり大きいですね。

セットアップ環境

パーツ構成はこんな感じです。

モニター周りは以下のものを使用
映像出力は背面Type-CよりThunderbolt 3ケーブルにて4k出力しています。

マウスキーボードは適宜持ち合わせでOKです。
下記に示すものはドライバ追加なしで動きましたので参考までに載せておきます。

ファンを取り付ける

このボードはintel系CPUクーラーが取り付け可能です。
しかしここで一つ問題があって、RK3588はCPUが直付けかつx86タイプより低背なためクーラーをマウントすると周辺部品が干渉します。
そこで苦肉の策ですが、下記のようにマスキングを施しました。

次にクーラーのブラケットを固定します。
DEEPCOOLの場合支柱が比較的太いので思いっきり干渉します。
intel純正のようなプッシュピンタイプのクーラーに買い替えるのが得策ですが今回はこのまま進めます。

次にクーラーのヒートブロックがCPUに対して的確にアタッチするために厚めの放熱用シリコンパッドを貼り付けます。
一般的なCPUグリスより熱伝導率が落ちてしまいますが、ROCK5Bでファンレスヒートシンクで十分運用できること確認していますので問題ないと思います。(SoC自体はRK3588で同じものが実装されている)

CPUクーラーを取り付けるとこのような形になります

ケースに組み込む

ケース組み込みといっても自作PCと同じです。
電源の組み込み、マザーボードのねじ止め、フロントIOの接続ぐらいです。
組み込むとこのようになります。FractalのPop Mini SilentだとスカスカなのでRidgeにすれば良かった・・・・

OSを書き込んで起動する

現状発売直後ということもあり頻繁にイメージが更新されています。
最新ビルドはRadxaのGithubのリリースページから見れます。
https://github.com/radxa-build/rock-5-itx/releases

やり方はimgファイルをbalena etcherでSDカードに書き込むだけです。
こちらもRadxa Wikiに手順が記載されています。
https://docs.radxa.com/en/rock5/rock5itx/getting-started/install-os

尚、オンボードeMMCにROOBIというシステムがプリインストールされているので、ネットがつながる環境であればこちらでもインストールが可能です。

起動メディアを変更する(NVMe SSD起動)にはブートローダーの書き換えが必要です。
https://docs.radxa.com/en/rock5/rock5itx/getting-started/install-os?install-os=NVME

起動するとこんな感じでKDEのデスクトップが立ち上がります。

Linuxカーネルは5.10.110-35-rockchipベースのようです。

簡単に動かしてみる

Web GL aquarium

スクリーンショットの関係でFPSが落ちていますが、何もしていなければさかな1000匹描画設定で30FPS程度です。
5000匹描画設定で24~30FPS,10000にすると画面がちらつく感じです。最大FPSが30上限なのはGPUドライバの設定があるのかもしれません。
動作中のコア温度は、psensor基準で44~49℃で推移していました。
CPUファンは60度を超えると動作しますが、この程度の負荷だと常に静止状態です。

Geekbench6

aarch64 previewでの実施です。

環境はROCK5 ITX 16GB model

結果はSBC geekのbretdk(https://bret.dk/)の結果に近いです。
bretdkさんは8GBモデルのようです。

おわりに

ROCK5 ITXを組み立てて動作まで確認しました。ROCK5シリーズのフラグシップということもあり非常にクオリティが高いなという印象です。
Radxa Debianイメージには、ARM Mali-G610-driverが当たっているのでYoutubeなんかは快適に再生できます。

Radxa Wikiを見た感じpanfork 3D/VPUも使えるみたいですが現状4k画面出力でYoutubeを見てても快適なのでこのままにしておきます。
Armbianのpanfork 3D/VPUイメージが出たら試してみます。

CPUクーラーは過剰な負荷をかけない限り停止状態なので過剰だったかもしれないです。
youtubeの4k再生で42℃程度しか上がらなかった。

今後はこのPCを利用してYoctoなんかでNativeビルドして遊ぼうと計画しています。

2024/5/11追記
AliexpressにRadxa公式ストアができたみたいです。
https://nl.aliexpress.com/store/1103615006?spm=a2g0o.detail.0.0.52f4MldqMldqB4