STM32でUARTをやってみる1

今回は自分用メモでUARTのやり方を書いていく
環境は

  • ボード:Nucleo32 STM32F303
  • IDE:Ac6 SystemWorkbenchforSTM32

を使う

ちなみにCubeMXの使い方は結構省いてるのでほんとの初心者はこの辺読んでください

gsmcustomeffects.hatenablog.com

gsmcustomeffects.hatenablog.com

やること

  • HelloWorld的な文字をTeratermに表示する。

いたって簡単

CubeMXでの設定

まず各種機能の有効化をしていく
何とかなくだけど動かなかった時のためにLEDも設定しとく
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次にクロック設定
あくまで一例なのでこだわった設定する人はデータシートとにらめっこしながら確認するのを頑張ってください

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UART2の詳細設定はこんな感じだ

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Oversamplesは基本RX側のやつで多めにサンプリングしてこぼしを防ぐやつ

設定が終わったらいつもの感じでエクスポート

Ac6での作業

さっそくさっき作ったプロジェクトをインポートをする。

ちなみにUART関連の出力コードはこんな感じ
構造体でいろいろ管理してるっぽい
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んで今回はこの部分にコードを記述していく

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以下に示すように二行を追加する。

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動作確認

Teratermを起動してボーレートとかを設定する。

あとはデバッグなりしてスタートして以下のように表示されればOK
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STM32のベーシックタイマー(TIM6/TIM7を使う)

Basic timer (TIM6/TIM7)

見出しの通りベーシックなタイマである。
STの中では一番チープなタイマである。(つか他のが高機能かつ複雑怪奇w

  • 16-bit オートリロードアップカウンタ
  • 16-bit プログラマブルプリスケーラ(1-65535)
  • Interrupt/DMA generation on the update event: counter overflow(カウンタのオーバーフローで割り込み又はDMAの生成)

要は単純に時間はかったりカウンタが一定値に達した時に割り込みリクエストできる機能があるというやつ。

主に思いつく使い方

  • タクトスイッチの入力を一定間隔で見に行くことで簡単なチャタリング除去
  • ADCと組み合わせて一定間隔でサンプリング値をUARTで送信とか

割り込みありきな使い方しか思いつかないが
エフェクターに使うとなるとタップテンポの感覚の計測とかかな・・・・・

使い方

さっそく使い方を見ていこう

今回はSTM32F303(Nucleo32から評価ボードが出てる)でやって行こうと思う

内容としては以下の感じ

  • TIM6/TIM7両方使って別周期で割り込み
  • 両方の割り込みハンドラ内でLEDをちかちかする。

いたって簡単だ。

CubeMXを起動する

手順

  1. Nucleo32タブで今回使うやつを選ぶ
  2. GUIピンコンフィグで設定
  3. TIM6/TIM7タイマーを有効にする

みたいな感じ

詳細設定をしていく

タイマーペリフェラルのクロックはこんな感じになっている。


次に割り込みとかの設定をしていくよ

終ったらジェネレートする。

Ac6での作業

こっからはほとんどすることない。

Mainに二行追加

stm32f3xx_it.cのハンドラ内にLチカ処理を書く

こっから先細かい解説

まあ単に動かしたい人はここは読まなくていいです。
読みたい人だけ読んで

プリスケーラについて

プリスケーラはなんというか分周器です。
これがないと速攻カウンタがオーバフローするので入ってくるクロックを遅くする役目を担っています。

今回の例を示すと

{ \displaystyle
freq[1/sec] = (Tim_{Clock}/Prescaler)/CounterPeriod
}

{ \displaystyle
freq[1/sec] = (64000000/10000)/6400
}

ここで9999は0を含めでなので10000
TimClockはSystemCoreClockから計算できるのでプリスケーラ値はSTのサンプルではこうなっています。

uwPrescalerValue = (uint32_t)((SystemCoreClock/ 2) / 10000) - 1;

というわけなんで1秒間で6400までカウントアップしてリロード値と一致するのでそこで割り込みがかかります。

主なレジスタ

CR1レジスタが基本設定項目でCR2はトリガイベントの設定

DIERは割り込み及びDMA

SRはカウンタ一致でbitが立つReadレジスタ

CNTは現在のcounter値

PSCはプリスケーラ

ARRはカウンタピリオド値

実際に動かしてブレークしてIOレジスタ見てみるとこんな感じ


KiCad : 分割シンボルの作り方

導入

近年200ピン以上の高機能なSoC、FPGAが主流となってきており、ハードウエア開発のレベルも高度化しています。
そのようなをICを使用した開発では、回路図が肥大化するため工夫を凝らして回路図の可読性を上げたりする必要が出てきます。
そこで多くの電子回路CADでは、分割シンボルが備えられており機能ごとの回路を書けるようになっています。

フリーで使えるKiCadでも分割シンボル機能があり今回はそのシンボルの作成方法を紹介します。*1

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分割シンボルを使った回路例

分割シンボルの作成方法

通常通りシンボル作成画面を開きます。
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今回はNXPのMIMXRT1166DVM6AというSoCを例として作成します。
ポイントは箇条書きで示しました。

  • パッケージのユニット数は2(後から変更可能)
  • ユニットは交換不可にチェック*2

最後にOKをクリックしてウィザードを閉じます。
このあとは通常のシンボル作成と同じように作業する形になります。
ユニットの切り替えは上部プルダウンから行うことが可能です。
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Tipsなど

途中でシンボルのユニット数を増やしたい場合

ユニット数の変更はプロパティで行うことができます。*3
ユニットを減らす場合は、末尾のユニットから削除されるので注意が必要です。(例:ABCDのうちCを消したい場合はコピー機能で移動してから行う)
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ピンテーブルの活用

200ピンを超えてくるとシンボル作成にもミスが出てきます。
ピンテーブル機能で一覧を確認できますのでしっかりとチェックするようにして下さい。
その他DRCで重複ピンの洗い出しもできますので利用するようにしてください。
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複製機能の活用

回路図を書き始めて大幅にシンボル構造を変えたいなというときは複製機能でバックアップを取ることをお勧めします。
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まとめ

今回はKiCadの分割シンボルを作成する方法を紹介しました。
まずはメーカー公式評価ボードと同じように作成して回路図を書きながらまとまりがいいようにピン感覚矩形の大きさ等を編集していくのがいいと思います。

あと過剰なシンボル分割は可読性を下げるのでほどほどにするのがいいです。
個人的にはA4サイズにこだわらずA3回路で書いた方がいいパターンもあるので頭の片隅に置いておくとよいしれません。

*1:分割シンボルの作成は、通常部品作成手順と重複する部分もありますのでまずは通常のシンボル作成方法を理解した上で行ってください。

*2:この際入れ忘れるとアノテーションを行った際に回路シンボルが勝手に置き換わってしまうので注意してください

*3:上のオペアンプと歯車アイコンで開けます。